前回に引き続き、フーターズのセカンドアルバム "ONE WAY HOME" を紹介しましょう。
前作でも聞かれた、彼らの大きな魅力である、マンドリンやバンド名の由来にもなっているフーター(ピアニカ)の使用に加えて、アコーディオンやリコーダーといった、一見ロックとは結び付かないアコースティック楽器が前面に現われた、よりアーシーなサウンドとなっています。
この少し後に、スティーブ・ウィンウッドが "Back In The High Life Again"という曲をヒットさせていますが、この曲の印象的なマンドリンの音は、フーターズの影響を受けたとスティーブ自身がインタビューで答えていました。
この "ONE WAY HOME" の音がいかにインパクトのあるものだったかわかりますね。
"Satellite" や "Engine 999" といった親しみやすい曲ももちろんいいのですが、"Karla with a K" が彼らのすべての曲の中でも最もフーターズらしく、楽しさに満ち溢れた一番の曲かなと個人的には思います。
アコーディオンとマンドリンから始まるイントロに、ハイハットのチキチキ音、トライアングルにペニー・ウィッスルと呼ばれる縦笛がかぶさっていく展開は、まさに彼らならではのもの。聴き終わった時にはもうこの曲のリフが頭から離れないでしょう。
この他にも、"Fightin' On The Same Side" のようなインディーズ時代からのいかにもフーターズという曲もあれば、"Hard Rockin' Summer"のような、ハードなギターサウンドのバッキングでも常にマンドリンの音が鳴っているという遊び心もあり、他のバンドには真似の出来ないユニークさを随所に感じさせてくれます。
最後の "Engine 999" がフェードアウトしていくと、このアルバムの世界が終わってしまう淋しさなのか、胸がキューンと締め付けられるような感覚にいつもとらわれます。
"Johnny B" の日本語バージョンが出るくらいこの頃は人気があったみたいですが、次第にアルバムの売れ行きは低下してしまったようです。いい音楽をやっているバンドが売れるとは限らないというのは残念なことです。
この後バンドは、オリジナルアルバム2枚とライブアルバム、それにベスト盤を出して音信が途絶えていましたが、公式ホームページを見るとライブ活動を続けているようで、とても懐かしく嬉しい気分になりました。
"One Way Home" を取り上げているサイトも結構あります。
カラスの逆襲: THE HOOTERS
OBERIU: The Hooters
Rock Princess: Hooters
フーターズの良さがわかる人と巡り合えて嬉しいかぎりです。
試聴はこちらからどうぞ(チトあやし)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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トラックバック有難うございます。
フーターズは昔、ベストヒットUSAのStarOfTheWeekのコーナーでサテライトとジョニーBのビデオ・クリップが流れたのを強く覚えています。(あと、スティーブ・ウィンウッドのヴァレリー、Still in the Gameのクリップも印象的で、それらのクリップがDVD化されないかと今でも待っています。)
OneWayHomeはたとえ地味と言われても末永く聴かれ継がれるアルバムだと思います。
今後とも宜しくお願い致します。
フーターズのビデオクリップは見た記憶がないのですが、ライブは2回ほど行きました( "Time After Time" 聴けなくて残念)。
"One Way Home" 地味なんですかねえ。たしかに、"Nervous Night" に比べると派手さはありませんが、この後 "Zig Zag" "Out Of Body" とどんどん地味な方向に行ってる気もしますが。
'87年のアルバムでは専門家の評価は非常に高かったのを記憶しています。
こちらこそよろしくお願いします。